洋書多読を初心者向けにやさしく解説


今回は、洋書を読んでみたいけれど、何度買っても途中で挫折してしまう方に向けて、洋書多読の始め方と最初に選ぶべき1冊を紹介したいと思います。
できるだけ専門用語を避けて短くコンパクトにまとめたので、これから多読を始める方も、過去に挫折して棚に積んでいる方も、ぜひ最後までご覧ください。
洋書多読とは何か
まず、洋書多読とは何かを身近な例で考えてみましょう。洋書多読とは「英語の本をたくさん読むことで、英語に慣れて自然に読む力を身につけていく勉強法」のことです。1冊1冊を辞書で完璧に訳すのではなく、分からない単語は飛ばしながら、内容を楽しんで読み進めるのが基本のスタンスです。
かれこれ20年くらい英語の勉強をゆるゆると続けてきましたが、洋書を読む時間は「勉強」というよりも「楽しみ」に近い感覚があります。英語の文章を翻訳を介さず直接読むのは、独特の面白さがあります。最近は全12巻のDarren Shanシリーズを読み進めているところです。
まず読むべき1冊は『HOLES』
結論から言うと、最初に手に取るべき本は決まっています。『HOLES』(Louis Sachar著)を、とにかく何も考えずまず買って読んでみてください。これがすべての始まりです。
この本は英語のリーディング力を測るための「試金石」として知られていて、内容の面白さ・読みやすさ・ボリューム・使われている単語のレベル感などが、すごくちょうどよく揃っています。これを面白く読めるかどうかで、次にやるべきことが変わってきます。
『HOLES』を読んでみた結果で次の進路が決まる
HOLESを試したあとに、その結果で次の進路を分岐するのが分かりやすいです。
もちろん、大半の人はHOLESでも挫折します。自分もまさにそうでした。チャプター1から知らない単語だらけで、1ミリも面白くなかったのを覚えています。だから読み切れなくても全く問題ありません。むしろ「挫折して当然」と思って始めるくらいでちょうど良いです。
最初に絶対避けるべき本 (3ジャンル)
本選びを失敗するのが、初心者が挫折する最大の理由です。最初の1冊だけは絶対に避けるべきジャンルを3つだけ覚えておけば、多くの事故を避けられます。
- ハリーポッターシリーズ
- ファンタジー系・SF系
- ビジネス書
なぜハリーポッターはNGか
初心者がやりがちなのが「映画で見たから」「子供向けっぽいから」という理由でハリーポッターから入ることです。これは絶対にNG。難しすぎます。語彙も独特で、文の構造も入り組んでおり、初学者が読み通せるレベルではありません。
なぜファンタジー・SFはNGか
ハリーポッターとも被りますが、ファンタジー系・SF系も最初は絶対やめましょう。英語に慣れない時期は、知らない単語を文脈で補完する力が弱く、自分で勝手にありもしない妄想を膨らましてしまうのです。
多読の王道は「文脈から単語の意味を予測する」ですが、ファンタジーやSFは「妄想する限度がない」ので、その予測が完全に的外れでも気づけません。一方、恋愛ものやノンフィクションは「実際に起こり得る範囲内」での妄想になるので、予測の精度が高められます。
なぜビジネス書はNGか
洋書を読むコツは「没入すること」です。ビジネス書は、どうしても淡々と情報を追う読み方になるので、没入できません。面白さを武器に読み続けるのが多読の本質なので、まずはストーリー系を選びましょう。
YL(読みやすさレベル)を活用する
本を選ぶときに参考になる便利な指標が、YL(Yomiyasusa Level、読みやすさレベル)です。語彙や表現を元にレベル分けがされており、ネット上で多読団体がまとめてくれています。本選びに迷ったら、自分が読めそうなYLの範囲で次の1冊を選ぶのがおすすめです。
| YL目安 | レベル感 | 該当本の例 |
|---|---|---|
| 0〜2 | 絵本・超やさしい | Penguin Readers Level1〜2 |
| 3〜4 | 中学生向け児童書 | HOLESなど |
| 5〜6 | YAペーパーバック | Darren Shanシリーズなど |
| 7〜 | 大人向け一般書 | ハリーポッターなど |
あくまで目安ですが、YLを1つずつ上げていく感覚で本を増やすと、無理なくレベルアップできます。
初心者の始め方ロードマップ
ここまでの内容をまとめて、初心者の始め方を5ステップに整理しました。
- 『HOLES』を1冊買って読んでみる (試金石)
- 面白ければそのまま読了 → 他のペーパーバックへ
- 挫折したらPenguin ReadersのLevel1〜2から始める
- YLを参考に1段階ずつレベルを上げる
- ファンタジー・SF・ビジネス書は当面避ける


よくある誤解と注意点
最後に、初心者が洋書多読を始めるときにつまずきやすいポイントを3つだけ整理しておきます。
- 「分からない単語は全部辞書で引かないと意味がない」と思い込む
- 「映画で見たから」とハリーポッターに手を出す
- 1冊挫折して「自分は無理」と諦める
多読のコツは「楽しんで読み続ける」ことです。辞書を引きすぎるとペースが落ちて続かなくなります。最初は意味が分からない単語を飛ばしながら、ストーリーの流れだけ追う読み方で十分です。
まとめ
今回は、洋書多読初心者の方に向けて、最初に読むべき1冊と挫折しないコツを紹介してきました。
洋書多読は、英語の本を楽しみながら大量に読む勉強法です。難しそうに見えますが、まずは『HOLES』を1冊買って試金石にし、自分のレベルに応じてPenguin Readersから始めるか、ペーパーバックへ進むかを決める、という順番で進めれば初心者でも無理なく入門できます。
大切なのは、完璧を求めず、面白さを武器にして読み続けることです。1冊で挫折しても気にせず、自分のレベルに合った次の1冊を選び直してみる、というところから始めてみましょう。

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