【基礎編】1インチ前後の超小型有機ELディスプレイを選ぶ時のポイント

こんばんは、ボーノです。

最近、1インチ程度の小型ディスプレイを使用したかったので色々と探してみました。

何となく気をつけなくてはいけないポイントが分かったのでメモ。

ちなみに、有機ELはOLED (Organic LED)ディスプレイと呼ばれて売られている事も多いようなので検索時は両方試してみて下さい。

有機ELディスプレイ選定のポイント

サイズと形をどうするか?

ディスプレイのモジュールはたくさんありますが、サイズも形も自由に選べる程はありません。

1.5インチや0.96インチ、0.66インチ等をよく見かけました。

また、正方形と長方形どちらを選ぶのかも重要なポイントです。正方形は長方形よりは種類が少ないかな、という印象です。

電源電圧は何Vか?

有機ELの表示には8V〜20V程度の電圧が必要のようです。
モジュールによっては、DC/DCを積んでいるため通常使用する3.3Vや5V入力で良いものと、DC/DCがないものがあるため注意が必要です。

なお、DC/DCがないモジュールの場合、ディスプレイ用の電源と信号/IC用の電源を別に用意する必要があります。

通信方式は何か?

大きく分類すると、シリアル通信とパラレル通信のどちらも存在します。

パラレル通信はピン数が多いのと、ドキュメントが少ないため特に制約がなければシリアル通信の方が良いと思います。

ただし、当然ながらパラレルよりは速度が落ちます。

ドキュメントやラリブラリは揃っているか?

個人的には、これが一番重要だと考えています。

小型といえども、ディスプレイの制御はかなり難しいように思います。
(ソフト屋なら楽にできてしまうのかもしれませんが、、)

そこで時間を消費してしまうのは勿体無いので、できるだけ事前にググってみて、自分が使用したい構成で実現している例がないか探してみる事をお勧めします。

カラーかモノクロか?

基本的にはカラーを選びたくなりますが、カラーはモノクロの倍以上の価格は覚悟した方が良いと思います。

モノクロといっても青と黄の2色といったものもあるので、安く抑えたい場合はそちらも検討してみて下さい。

ディスプレイ部分とのインターフェースはコネクタか直付けか?

見落としがちですが、使用方法によっては結構重要な点。

普通、有機ELディスプレイはディスプレイ部とドライバ部分がセットになって売られている事が多いです。

ただ、ドライバ部が載っている基板はピンヘッダの取り付け部や取り付け用の穴等があり、冗長に作られているため結構大きくなってしまっています。

可能な限り小型にしたい場合は、それが結構ネックになる場合もあるかと思います。

そんな時は、ドライバ基板はいっその事自分で作るのが良いと思います。
(ドライバ基板の作り方は別記事で紹介します)

そこでネックになるのが、ディスプレイ部分とのインターフェースです。

基本的にはFFCなのですが、そのピッチと先端の形状に違いがあります。

まず、ピッチは0.5mmや0.65mm, 0.7mmと実に様々。
しかし、対するコネクタはそんなに種類がなく、0.5mmか1.0mmしかないと思ってもらった方が良いです。

ではそれ以外のピッチはどうするかというと、これは基板に直付けするしかありません。

そこで次の注意点として、半田の直付けが非常に困難なタイプと容易なタイプがあります。

直付け困難なタイプ

半田付けしようとすると、端子の銅の部分が溶けてしまうものがあります。

例えば下記のaitendoが販売しているモジュールがそうです。

OLEDモジュール(96×64、0.95") - aitendo

実際に半田付けしようとして失敗した写真がこちら。
1度失敗して、溶けた部分の基材をカットして再度トライしたのですが、またも溶けてしまいました。
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直付け容易なタイプ

一方で、半田づけしやすくなっているタイプもあります。

例えば下記HiLetgo社のものがそうで、端子の先端形状に工夫がなされています。
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写真では分かりづらいので、絵にしてみました。

上記端子をルーペで拡大してみると、下図の右のように、先端が丸く凹んでいます。 これは、半田の表面張力を活かして半田が端子に付きやすくしたものと思われます。

実際に、比較的簡単に半田付けをする事ができました。

OLEDのFFC端子形状

ただし、写真だけで先端形状を判別する事は難しいので、直接店に出向くか、更にはそれでも判断が難しい場合は実際に試してみるしか方法はなさそうです。
(ちなみに、通常のFFC形状でも半田付けできないわけではありません)

紹介

小型ディスプレイの扱いについては、ネットでも本でもほとんど情報が見当たりませんでした。

その中でも一番参考になったのが下記本です。
有機ELだけでなく液晶含めて、小型ディスプレイの設定方法や接続方法が載っています。

特に、22-23ページ目のディスプレイ一覧ページは圧巻で、40モジュール以上のディスプレイサイズや動作電圧、インターフェース等が掲載されています。

是非、ディスプレイ選びの参考にしてみて下さい。