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ブレッドボードを使う時のコツと注意点
配線のコツなどがあれば知りたいな。
今回はこれから電子工作を始める方向けに、ブレッドボードを使う時のコツと注意点について説明をしてきます。
ここで紹介するコツや注意点を抑えておくと、ブレッドボードの最大の欠点である「信頼性の低さ」をカバーする事ができ、さらにミスなく安全に使用する事ができるようになります。
この記事を読み終わると、今すぐにでもブレッドボードを使いこなせるようになっています。
ブレッドボードの組み方【良い例・悪い例】
今回は以下の図の2つのブレッドボードを使って、良い例と悪い例を説明をしていきます。
以下の図はLEDを点灯させる回路を3つ並べたものになっています。
先ほどの2つのブレッドボードは見た目は全然違いますが、以下の画像のように、どちらも同じようにLEDが点灯します。
ですが結論を先に言ってしまうと、下記の図の右側が「良い例」、左側が「悪い例」になります。
その理由と、上手に組むためのコツを5つ説明していきます。
そのうちの2つが「配置に関するコツ」、残りの3つが「配線に関するコツ」になります。
まずは配置に関するコツと注意点について説明していきます。
配置に関するコツと注意点
①:部品の脚を短く切る
配置に関するコツの1つ目としては「部品の脚を短く切る」という事です。
購入したばかりの電子部品の状態は、以下の画像のように脚が長いものが多くなっています。
脚が長いままで使用すると、以下の画像のように部品が傾いた時に脚同士が接触し、ショートしてしまう危険性があります。
そのため部品の脚は、短く切っておく必要があります。
②:回路図をイメージして並べる
配置に関するコツの2つ目は、「回路図をイメージして並べる」という点です。
以下の図は今回作成した回路図で、LEDの点灯回路が3つ並んでいます。
この回路図をブレッドボードで組んだときの悪い例を、以下の図で見て行きましょう。
バッテリーからの電流が左に行ったり右に行ったり、何度も左右を行き来しているのが分かると思います。
一方良い例では回路図と同じように、3つの経路とも電池から流れた電流が、右から左へとまっすぐ向かっているのが分かると思います。
回路が正しく動作しなかった時には、だいたい回路図を眺めて怪しいところを潰していきます。
そのような時に、回路図をイメージして並べておくと、回路図とブレッドボードの回路が近い状態にあるため、確認・検証がしやすいのでとても分かりやすくなります。
「配置に関するコツ」は以上の2つです。
次は「配線に関するコツ」について3つ説明していきます。
配線に関するコツと注意点
①:配線の色の思想を統一する
配線に関するコツの1つ目としては、「配線の色の思想を統一する」という事です。
これは見比べれば一目瞭然で、悪い例では色を適当に選んでいるので、電源ラインがどこにあるのかが全く分かりません。
一方で良い例では、電源ラインは赤色と決めているので、一発で電源ラインの配線を見分ける事ができます。
以下の図では、例として6色の線がある場合の思想を書いたものです。
もちろん好みもあるので分け方は人それぞれですが、大事なのは「ルールは決めたらそれを守り続ける事」です。
一度、自分ルールを作ってみる事をおすすめします。
②:配線はできるだけ短くする
配線に関するコツの2つ目は、「配線はできるだけ短くする」という事です。
以下の図を見ての通り悪い例では、かなり配線が長くごちゃごちゃしています。
配線が長いと電流を流した時の電圧降下が大きくなってしまったり、 配線を間違いやすくなるというデメリットがあるため、 線は極力短くするに越した事はありません。
つまり電流が流れる根本が例えば5Vであっても、流れた先は実は4Vしかなかったという事も起こり得ます。
そういう意味でもっと長さの短い、以下の画像のような「ジャンパーワイヤー」と呼ばれる線を使うのも一つの選択肢だと思います。
③:電源は根本から取る
最後に配線に関するコツの3つ目は、「電源はできるだけ根本から取る」という事です。
以前に別の記事でもお見せしましたが 、ブレッドボードというのは内部で金属のピンで繋がっています。
先程お話した配線と同様に、このピンは抵抗値がゼロではないので、 こちらも電流が流れると必ず電圧降下が発生します。
ただし配線と違ってピンの場合は長さを変える事ができないので、根本から遠い配線はできません。
抵抗値を下げる唯一の選択肢は、電源の根本にできるだけ近づける事です。
ブレッドボードを組む際は、ここで挙げた5つの観点を頭に入れて配置・配線をしてみてください。
②回路図をイメージして並べる
③配線の色の思想を統一する
④配線はできるだけ短くする
⑤電源は根本から取る
ワンポイントアドバイス
最後に一つだけワンポイントアドバイスがあります。
電源から流れ出た電流は全てGND側に帰ってくるので、電源とGNDの違いは電流の向きでしかありません。
なのでGNDラインに対しても、以下の画像のように根本から配線すべきというポイントは全く同じです。
まとめ
今回はブレッドボードをもっと使いこなしたいという方に向けて、コツや注意点について5つ説明してきました。
組み方に正解があるわけではないため、必ずこれにならって下さいと言うつもりはありません。
ですがここで紹介したことを意識して回路を組むと、ブレッドボードの信頼性を格段に上げることができ、自分のレベルアップにもつなげる事ができると思います。