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【電気のキホン】4.電気と材料
この記事では、電気と材料の関係について詳しく話をしていきます。
この記事を最後まで読むと、導体、半導体、絶縁体それぞれの違いが理解でき、半導体の原理についても理解が深まりますので是非最後までご覧下さい。
電気と材料
全ての材料に電気が流れるわけではなく、流れやすさに応じて導体、半導体、絶縁体という大きく3つのカテゴリに分かれます。
導体はいわゆる金属で、絶縁体はガラスやプラスチックのような材料です。
半導体は、通常は電気が流れやすいのですが、別の材料を混ぜることで電気が通りやすくなるという二面性を持っています。
特にこれらの中で、銅とシリコンは地球上に資源が豊富にあり、加工のしやすさや、安価といった特徴もあるためエレクトロニクスの世界で多用されています。
導体と絶縁体
電気の通りやすい、通りにくいの違いは自由に動き回れる電子がどの程度あるかという点にあります。
このワニ口クリップを例にとると、導体であるクリップ部分はこのように電子の通り道を原子同士が共有し、電子が自由に動き回れる状態にあります。
.一方でこの絶縁体であるゴムカバー部は電子が原子核に強く結びついており、電子が動き回ることができません。
絶縁体に電気を流そうとすると、この結合する力以上の力を与えないといけないので、大きな電圧が必要になります。
半導体とは
次に、エレクトロニクスの世界で主役とも言える半導体について説明をします。
元々は真空管という部品が電気を制御するために使われていたのですが、1940年代に半導体であるトランジスタが開発されると、サイズがとても小さくしかも低コストで作れるので、瞬く間に世界中に普及しました。
例えばこのエレクトロニクスの基礎知識の中で作った作品の中だけでも、このように多くの部品に使われています。
半導体の原理
それでは次に、代表的な半導体であるシリコンをピックアップして、半導体とは一体どのようなものかという点を図を使って説明してみたいと思います。
シリコンは一番外側の層に4つの電子があり、原子がお互いに電子を1つずつ共有しながら強く結びついています。
この時は自由に動き回れる電子がいないため、絶縁体と同じように電気がほとんど流れません。
ここでリンのように一番外側の電子が5つある原子を置くと、様子が一気に変わります。
シリコンは電子が4つ、リンは5つあるので、リンが持っている電子が1つ余ることになります。
この電子はどこにも結合されていないため、導体の中の電子と同じように自由に動き回ることができます。
一方で、ホウ素のように一番外側の電子が3つの原子を持ってくると、今度は電子が1つ足りないスペースが生まれます。
この空きスペースは不安定な状態であり、安定な状態を作ろうと電子を引き寄せるため、プラスの性質をもちます。
この空きスペースはホールと呼ばれ、ここに電子が引き寄せられると、その電子が元々いた場所にホールが生まれます。
これを繰り返していくと、ホールが徐々にマイナス側に移動していくことにより、電気が流れることになります。
電子が多い状態の半導体をN型半導体、ホールが多い状態の半導体をP型半導体と呼びます。
これらはそれぞれ電圧をかけるとよく電気が流れますが、半導体が導体と違うのは、P型とN型が存在することです。
これらを接合して隣り合わせて使うことで、半導体でしか作れない面白い特性を作ることができます。
そしてそれが、半導体がこれだけ普及した理由になります。
これについては、電子部品のセクションの中で説明をしたいと思います。
まとめ
今回は、半導体が一体何なのかがよくわからないという方に向けて、導体、半導体、絶縁体それぞれの違いなどについて詳しく説明してきました。
導体、半導体、絶縁体それぞれの違いが理解でき、半導体の原理についても理解が深まると、電子工作をより楽しめるようになると思います。
当サイトでは他にも、電子工作初心者が最低限身につけるべき知識やツールの解説など、電子工作を0から体系的に学べる動画や記事を用意しております。