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抵抗の「超」基本的な使い方
今回は電子工作の主要部品である抵抗の超基本的な使い方を、「抵抗の「超」基本的な使い方」と題して、実例と共に 3 つ紹介していきます。
抵抗の基本的な使い方を丁寧に解説していくので、電子工作初心者の方でも理解できるはずです。
抵抗について理解しておくと、多くの電子部品を使う足がかりになるので、ぜひ最後までご覧ください。
抵抗の使い方①
まず1つ目は、電流を抑える使い方です。
電源や電子部品には流して良い最大電流が決まっているため、抵抗によって最大電流以上流れないように制限をかけます。
この使い方は、抵抗の一番オーソドックスな使い方で、あらゆる場所で見る事ができるのです。
例えばArduinoでは、LEDに流れる電流を制限するところでいくつも使われています。
この部分で言うと、5Vに対して1kΩの抵抗が2つとLEDが接続されています。
すると全体としての抵抗値は500Ωであるため、オームの法則より、流れる電流は6mAに制限されている事が分かります。
抵抗の使い方②
次は電圧を分けるという使い方で、専門的には分圧とも言ったりします。
回路を組んでいると、電圧の大きさを調整したい場合が出てきます。
例えば以下M5Stackの回路は、USBの5Vの電圧をスイッチング方式で3.3Vに変換する降圧コンバータの回路です。
以下の部分を見ると、電源の出力側の電圧を510kと110kΩの抵抗で分圧してフィードバック端子に接続している事が分かります。
ICの内部では、ある基準電圧とフィードバック電圧とを比較してスイッチングのオン・オフを決めているのです。
しかし基準電圧があまり大きいものは作れないため、フィードバック電圧側を落とすために、抵抗で分圧しています。
電圧値としては、以下図の分圧則という関係性が成り立ち、フィードバック端子電圧はVfb=110k/(510k+110k)×3.3V=0.59Vとなります。
抵抗の使い方③
次に、電圧を安定化させるという使い方です。
これはいわゆるプルアップ、プルダウン抵抗と呼んでいるもので、良くスイッチやボタン等と合わせて使われます。
例えば以下図microbitのボタンは、10kΩの抵抗を介してVREGという電圧がかかっています。
もしスイッチだけの構成だった場合、ボタンがONの時はGNDに接続されるので電圧が安定するのですが、OFFの時は何も接続されない事になるのです。
この時、電気的に見ると無限に大きい抵抗が接続されている状態と等しくなって、ノイズなどで電流がわずかにでも流れてしまうと、電圧が変動して不安定な状態を作ってしまいます。
この状態は、俗に「浮いた」状態と言ったりします。
浮いた状態を作らないために、以下回路のように抵抗を介して、ある電圧に固定してあげましょう。
また、メジャーな通信方式の一つである以下図I2Cの出力ラインにも、プルアップ抵抗が必要な事が知られています。
これはICの出力ピンは電源に繋がれてないので、ロー状態しか作る事ができないからです。
ローでない時はトランジスタがオフになるので、プルアップ抵抗をつける事でハイ状態を作っています。
最後にもう一度、抵抗の使い方3つをまとめておきます。
- 電流を抑える
- 電圧を分ける
- 電圧を安定化させる
まとめ
今回は電子回路の主要部品の 1 つである抵抗の、3つの使い方について紹介していきました。
ここで話したのはあくまで超基本的な使い方だけであり、抵抗の使い方はそれ以外にもまだまだたくさんあるので、他の動画や記事でまた紹介したいと思っています。
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